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6.11

『マイ・バック・ページ』

元々大した興味がなかったのに帰宅直後にWOWOWで放送してた『SATC2』の4度目の感動がでか過ぎて細かな内容を既にほとんど忘れてしまった山下敦弘監督『マイ・バック・ページ』 ですが、HPに載ってる監督のインタビューを無理矢理要約して引用すれば「69〜72年という時代を再現するのではなく、全共闘を経験した若者たちの青春の終わりを、斜に構えず、小細工なしで描いた」らしいのですが、不思議なことに、斜に構えた小細工だらけの山下監督作品に見えてしまったのでした…。とりあえず、長い。役者がみんな芝居溜め過ぎでそれを長回しで撮ったら141分になりましたってのは見てて疲れるだけやからからやめてほしい。
って言うかこれは私がこの時代の歴史や背景を全然知らないし知ろうともしてないからなのか、青春とか闘争とか以前に本当に単なる甘ったれのバカにしか見えない主人公がチャラいペテン師にまんまと騙されたってだけの話にしか感じられず、ブッキー演じる新人記者が先輩に「お前はものごとを安全圏から見てるだけ」と噛み付いたり上司に「学生新聞作ってんじゃねーぞ!」と怒られたりしてたけど、それってこの映画にそのまま当てはまるような…。人ひとり殺しといて男泣きだけでオチつけられても。それでもそこそこコンスタントに新作を撮ったりファンが多かったりするのは一見まとまって深い意味がありそうな安心感は相変わらず、まさに近藤龍人カメラによるスピッツ効果が今回も大音量で流れておりました。
川本三郎に興味があるわけじゃないけど「マイ・バック・ページ」がらみのものならnobodyに載ってる梅本洋一さんの文章がよかったです。映画には『サン・ソレイユ』は出てこなかったけど…。