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6.20

『軽蔑』

原作小説が好きな映画って見る前にちょっと不安になったりするのですが今回は特にそれが大きかった廣木隆一監督『軽蔑』 、最初はやっぱりキレイな男女のバックに流れるオサレな洋楽やキラキラ光る新宮の海と路地にだいぶ動揺してしまった。でも途中から、映画は中上健次とは別のものなんだと思ってみると、なんだか懐かしい感じのする可愛い青春映画に見えたのでこれはこれでいいのかなと。それでも136分は長いよと感じたけど(節電なのか劇場が微妙に暑くて難儀した…)。
とにかく高良健吾が軽い、この軽さは一種の才能なんじゃないかってくらい軽い。一歩間違えたら田舎のボンボンがハタ迷惑な反抗期を迎えてるだけの映画に見えなくもない。文字通り体を張って頑張りまくっていい芝居をしてる鈴木杏が相手じゃなかったらだいぶしんどかったかも。大森南朋が西のヤクザにまったく見えない(いっそムラジュンの方がよかったんじゃないか?)のも父親の小林薫が中途半端な存在感なのも杏ちゃんが良かったからなんとか。彼女の声が高くなくてよかった。久しぶりに、撮影大変そうやなーって感心する強引な長回しを見た気がした。そうそう、ちょい役やけどやっぱり忍成修吾はいい役者だった。