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7.05

『プッチーニの愛人』

『死ね!死ね!シネマ』でA先生の熱演を目撃したから、ってわけじゃないけど本日はパオロ・ベンヴェヌーティ監督(共同監督パオラ・バロー二)『プッチーニの愛人』 を見に行ってみた。9割お上品なおばさまで埋まった客席の中、最前列のど真ん中にタイガーマスクおじさん。本編開始直前にさっとかぶり物を脱ぐ姿は中々感動的だった。
それはともかく。プッチーニの音楽もろくに知らず、監督がストローブ=ユイレの弟子だとかなんとかという情報しか持たずに鑑賞したのですが、こんな凄い映画だとは。内容は事実に基づいたお話らしく、不倫を発端に始まる昼ドラ系ドロドロものなのに、セリフらしいセリフがほとんどない。 色男プッチーニの穏やかなピアノと数回交わされる手紙の文章だけで流れていく映画は怖いくらい美しく(スタンダード画面の真ん中に人という画が個人的にかなり好きという感動もあるけれど)。1908年のイタリアが舞台、映ってる木や河が既にいつのものなのかわからなくなってしまった。愛人と疑われたメイドの運命が哀し過ぎたけどいやあいいもの見せて頂きました。デジタル上映じゃなければもっと良かったのかしらん。