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7.07

『SUPER8/スーパーエイト』

前作の『スター・トレック』が素晴らしかったうえに今回はスピルバーグとコンビを組みつつオマージュを捧げてるということで、とんでもない傑作に違いないと見る前から大興奮していたJ・J・エイブラムス監督『SUPER8/スーパーエイト』 、新宿ミラノ座にて満を持しての鑑賞。ところが、いざ蓋を開けてみると、まさに「問題作」としか言い様のない奇妙な映画だったのでした…。
79年のオハイオ州を舞台に、8ミリフィルムで自主制作のゾンビ映画を作っている少年少女たちのジュブナイル的な瑞々しさや親子の絆を描いている、ように見えるのですが、 実はこちらが不安になるくらい112分間ご都合主義のオンパレードで、全篇ほんとにスカスカ。でも、初期のスピルバーグ作品って確かにご都合主義のオンパレードでスカスカなところだらけだった気がするのでこれはやなり忠実なのかなと思いつつ宇宙船の登場に期待してたら、『未知との遭遇』や『ET』ではあんなに大袈裟に空から降りてきた宇宙船がこの作品では電線や車の部品を盗んで作ったガラクタの寄せ集めで…。
ただ、ある意味最後まで全くブレずに完璧にスカスカなのは何かを狙ってやってるんだろうとは思えてきた(大切な母親の遺品であるペンダントがそこら辺のガラクタと一緒に飛んでいってしまうのとか、わざとじゃないと有り得ないし)。そもそも冷静に考えてみるとここまで露骨なノスタルジー全開で「傑作」になってしまうことの方がよっぽど不健康な気がするし(でもJJさんが何を狙ってるかまでは考える程興味はない)。エル・ファニングちゃんは驚く程素敵だったけど映画オタク少年集団&美少女ひとりという設定にも何か意図があると信じたい。
ちなみに私は8ミリフィルムカメラを触ったことがないのでその辺のリアリティに関しては何も言えないす。