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7.25

大鹿村からの死ね死ね

こんなカタチで上映時間が増えたり平日の午後にほぼ満席だったりするのも哀しい気がするけど、阪本順治監督『大鹿村騒動記』 を。阪本監督の映画をシネコンに見に行くと知人に会う率100%な最近。
長野県大鹿村というド田舎で300年も続いてる村歌舞伎をメインに、原田芳雄、大楠道代、岸部一徳の三人が微妙な三角関係でドタバタ、芸達者な人たちの芸を見てるだけで楽しくなる、これが千円で見れるならと満足の93分でございました。大傑作!とは言わないけれどこの映画に文句つけだしたら『アンダルシア』とか見れなくなるしさ。一応松たか子とか瑛太とか佐藤浩市も出てるけど贅沢な脇役って感じなうえ俳優たちの芝居もなんか楽しそうなのが良かった。同じように出番は少ないもののさすがに三国連太郎の涙には泣きそうになってしまった。それにしてもボケ役を演じてもなお大楠道代が可愛過ぎて参った。こんな女性になりたいもんです。

しかしそんな落ち着き払った映画の後にはやっぱり篠崎誠監督の『死ね!死ね!シネマ』だしょ、とレイトショーに駆けつける。試写で見せて頂いた時から更にバージョンが変わっていると聞いたので。つっても二回目だしと余裕をかまして見始めたものの、初見の際にはとにかく衝撃的過ぎてあわあわしてる間に70数分が過ぎて行った感が大きかったものの今回改めて見てみて、へらへら笑って見る映画じゃないんだと反省(それでも笑ってしまったけど)。ここでは映画監督シマザキとなつきとスズ子の三角関係が、ドタバタとは程遠い緊張感と狂気で映画に描かれたとき、あまりにストレートで感動的な愛の映画に。凄いなあ、久しぶりに自分が映画撮りたいとか考える人じゃなくてよかったなあと思いました。多分(いや絶対か)DVD化したりしないと思うので、 8月5日までの公開中に目撃しておくことを強くお勧めします。