BLOG

8.16

『ふたりのヌーヴェルヴァーグ』

日が暮れるのを待ってから、のそのそとエマニュエル・ローラン監督『ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー』 を見に行った。ゴダールかトリュフォーかと問われればロメールなんだけど。
ヌーヴェルヴァーグの、カルティエの指輪は持ってるしもちろんフランス映画におけるその名前とぼんやりとした意味くらいは知っているけど本当にぼんやりでしかない私のような怠け者にはへええなるほどと97分で色々お勉強できる、有り難い入門映画でした。ドキュメンタリー映画としてはどうなんだろうと思わなくもない点もなくはなかったしなんとか頑張って現在のゴダールにインタビューはできなかったのかしらんと心残りもあるけれど、映画の8割近くを占める5、60年代当時のゴダール、トリュフォーのインタビューやヌーヴェルヴァーグ周辺の若々しい記録映像を見てるだけで十分心満たされるし(個人的に動くジャン・ルーシュが見れたのが妙に衝撃だった)、この若者たちが後々すごい映画を作るんだと思うとなんかもう。映画が後半、五月革命以降のふたりの決別とジャン・ピエール・レオーの苦悩に向かっていくにつれだんだん切なく、最終的なあの手紙には40年も前のことなのに勝手にしょんぼり。でも最後のレオーのオーディションは思わず微笑みながら見てしまった。ひとりの俳優の誕生から死ぬまでが映画の中にあるってことか。久しぶりに購入したパンフレットも充実の内容、これで私もにわかヌーヴェルヴァーグ通に(先日のシャブロル特集は見て見ぬ振りして過ごしたけど…)。