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9.11

『ゴーストライター』

設計者がぱっぱらぱーだったとしか思えない程無駄に複雑な構造をしたビルにあるヒューマントラストシネマ渋谷にてロマン・ポランスキー監督最新作『ゴーストライター』をようやく。
自殺した前任者の代わりとして元英国首相(ピアーズ・ブロズナン、今回もホレボレする程のにやけ顔だった)の自伝の執筆を依頼されたゴーストライター(ユアン・マクレガー)が過去の経歴を調べていくうちに前任者の自殺の真相と元首相の隠された秘密を知って命を狙われるというお話なのですが、冒頭の夜の雨の波止場の船の車のカットだけでお腹いっぱいってくらいかっこ良く、その後も乗り物に次ぐ乗り物に乗ったり追いかけられたりしながら、あっさりしている部分とねちねちしている部分のバランスがとにかく絶妙で素晴らしかったです。主人公のユアンが微妙に真面目なようでテキトーなところとか脇役の描写が微妙に意味ありげなようでなかったりするところとか、最終的にも秘密の真相が解明されたようなされてないような。でも見終わった後にまでもぞもぞとした奇妙な感触が残るのは最近毎日WOWOWで見てた影響もあってかヒッチコックを思い出し映画自体はヒッチコックに影響を受けた監督だとデ・パルマよりシャブロルに近い感じ(数本しか見たことないけど…)だったと言えるような言えないような。なんてそんなことはどうでもよく、個人的にはキム・キャトラルがキャスティングされている(そしてあのお尻とブロンドもちゃんと活かされてる)だけで大満足だったりしたんですけど。ちなみに、ユアンの役名(?)自体が「ゴーストライター」なのでした。