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9.20

『ストーカー』

この連休は、渋谷で開催された「映画長話」刊行記念トークショーにて蓮實重彦×黒沢清×青山真治×万田邦敏の大変貴重な座談会を拝聴し青山真治監督『赤ずきん』と万田邦敏監督『面影』を鑑賞(上映機会の少ないレアな両作品、のはずが何故か両方とも数回目…)しこっそり紛れ込んだ打ち上げの席で完全に記憶をなくすほど酔っ払ったり(本当に、本当に申し訳ございません)、阿佐ヶ谷で開催された三宅隆太と継田淳の脚本家ガチトークvol1を両氏と面識があるわけでもないけど『七つまでは神のうち』以来三宅監督に興味津々丸なため真面目に聞きに行ってみたり。楽しかった、とざっくり。

なのでデモに行けなかったけれど本日はユーロスペースさんで開催中のImage.Fukushima vol2 にてアンドレイ・タルコフスキー監督『ストーカー』(79年)を鑑賞しながらぶるぶる震えてました。
突然その場所に出現した「ゾーン」、行ったものは生きて戻れない場所、そこを唯一案内できる「ストーカー」(彼の娘は両足がない)とそれぞれ事情があってゾーンに向かうことを希望する「教授」と「作家」。それまでセピア色だった画面がゾーンに入った瞬間カラーになる、色がついて鮮やかになったはずのその風景の本当に「死の街」としか言い様のない、草木は枯れ戦車は放置され人の気配のない世界。じっとりと確信の場所に進む三人をじっとりと映す映画はかなりホラー、「絶望」しか受け入れないという最後の場所に辿り着いたとき何が起こるのか、はみなさんも168分頑張って映画見てみて下さい。あー怖かった。
これがチェルノブイリ前に作られた作品である事実とか何を予言してるかとかとっくに色々言われてるでしょうが、やっぱりここまでの既視感はさすがに動揺。あの黒いワンコはとっくに福島から走り出してきてるのだろうか、なんてことを考えながら渋谷を歩いていたら黒いサングラスをかけたキアロスタミ監督とすれ違った。