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10.09

『さすらいの女神たち』

『On Tour』という英題に対し『さすらいの女神(ディーバ)たち』という邦題はほんとにどうかと思うけど、マチュー・アマルリック監督作品初体験は素晴らしいものでございました。私の映画の好みを知ってる人が見ればすぐにわかると思うけど、あまりにも何もかもが好き過ぎて、感動を通り越して最終的にはなんかむかつきすら覚えてました。人間てワガママな生き物ですね。
ドラッグクイーンみたいなストリッパーの女たちが電車に乗ってフランスの港町をツアーするロードムービー、もう若くもなく美しくもない彼女たちの姿がとにかく瑞々しくて感動的なこと。宅配ピザが届いただけで一等宝くじでも当たったんかってくらい歓喜する可愛さ。女の子がいっぱい出る映画を作りたいなら『モテキ』の監督さんもこういうの見ればいいんじゃないですかね。もちろん彼女たちのマネージャー演じる情けないカエル王子のマチューの魅力も凄かったけど。最後、タバコの火をつける優しさに落涙。いや、実はかなり前から泣きっ放しだった。
前半、さすがにあまりにもカサヴェテスな感じにこれ最後まで続けられたらちょっときついなと思いかけるも、実際にダンサーだと言う出演者たちの、本当にマンガのベティちゃんみたいな体型で裸になって繰り広げられるゴージャスな舞台を眺めてるうちにまあそんなことどうでもいいかと思えてきて、111分と言わずもっともっと続けてて欲しい気持ちになりました。ほわほわ。

と、思いっきり浮かれていた気分が一変、大阪から叔父が亡くなったという訃報が入ったため明日からしばらく帰省しやす。また来週。