10.21
『そして僕は恋をする』
公開当時バカ高校生だった私は何このオザケン気取りなタイトルとひとりプリプリして見ずじまい、以降10年以上待たされることになってしまったもののようやくアルノー・デプレシャン監督『そして僕は恋をする』(96年)をシネマヴェーラさんでの「フランス映画の現在」特集にて恥ずかしながら初体験。しかしこれを十代の頃に見ても何が面白いのか多分さっぱりわからなかっただろうから今見れて良かったかなとは思ったけど、でももっと前に見てれば以降のデプレシャン作品がより楽しめただろうにと悔しい気持ちもあり。ロビーに制服姿の女子高生がいたけれど、彼女には立派に育って欲しい。
優柔不断でろくでなしの大学講師があっちの女でもないこっちの女でもないとうだうだしてるだけの178分間は、今じゃすっかり大人の色気なマチュー・アマルリックの若々しくてつるつるした顔がころころ変わる様を見てるだけであっという間に過ぎていきそれはそれは幸福な時間だった、のですが、女優の顔が個人的に悉く好みじゃなかったことだけが残念。エマニュエル・ドゥヴォスって、いつもほんわかしたちょっと抜けてる感じの役を演じてるけど、それにしてはなんと言うか、骨太感が強過ぎて、どうもしっくりこないのは私だけなのでしょうか。声はめちゃくちゃ可愛いと思うんだけど。
15年前の映画なのに、今見てもファッションやメイクや流れてる音楽にまったく違和感がないのは、さすがおフランス映画だなあと感動しました。