11.29
『ウィンターズ・ボーン』
たまたま数日前DVDでじゃなくて最新ブルーレイで『X-MENファースト・ジェネレーション』を見たばかりで、ヒロインの女優が同一人物だとは思えぬテンションの寒暖差が素敵だったデブラ・グラニック監督『ウィンターズ・ボーン』 (『X-MEN』も悪くなかったけど)。笑えるくらい犬がいっぱい出てくるのに猫がワンカットだけだったのはちょっと腑に落ちなかったけど、すごく良い映画でした。
アメリカの片田舎で、麻薬犯罪を犯して行方不明中の父親と心の病を患った母親と幼い弟妹を抱えた17歳の少女の過酷過ぎる物語が、 悲しんでる暇もなく死んだ人間を捜し続ける盲人の物語として広がっていて、最後に流れる曲のように最後に映される写真に向かって「妹たちよ、生きていればわかるから」としか言い様のない世界。一族の人間として勝手に感情移入する部分もあり。私も大阪帰る度「昔はもっと面白い女だったのに…」と言われるんです。
十代の少女が酷い環境に生き苦しむ話ってのはまあよくある話だけど、男に犯されるわけでなく肉体的にボコられるってのはちょっと見たことなくて、だいぶショックで、腫上がった顔の血なまぐささとか湖の冷たそうな感じがアメリカの女の冬なんだろうなあ。チェーンソーの音が『テキサスチェーンソービギニング』より怖かった。じいさんに話しかけたくらいでコーヒーぶっかけられるとかマジでイヤやし。しかしこんな今時っぽい女の子が猟銃使って獲物を殺して生活してるってちょっとびっくりしてした。