『ワイルド7』
私としたことがなんだか最近真面目な映画ばっかり見ちゃってダメじゃんとこの年末の忙しいときにせっせと羽住英一郎監督『ワイルド7』を見に行ってきましたよ、偉いでしょ。でも『源氏物語』の勇気はなかった、ごめん。
伝説的らしい原作漫画はまったく知らないため細かいことはよくわからないけど、映画自体は最終的に期待を裏切らない安心の『海猿』クオリティでモーマンタイ。なんだけど、一言「クソつまんない」で済まされないやっかいさもありちょっと困った。いやもちろんつまんないんだけど。
冒頭から、最近の日本映画ではちょっと見たことないくらい派手な銃撃戦とバイク&カーアクション、これ大丈夫なのと不安になるくらいバタバタと撃たれていくポリスたち、途中何を血迷ったか明らかに『ガントレット』状態で、ビルの中をバイクが暴走とか、正直、お、そんなに悪くないじゃないのと思う瞬間がなくもなかっただけに、なんとかあと百歩くらい監督さんと脚本家さん頑張れなかったかなあと。とにかくハリウッドっぽいものを目指したいってのは伝わったけどこんなにお金といい撮影場所を使っても一切ドキドキしないROBOTマジック。あの流れっ放しの音楽と感動のラスト、絶対要らんと思う。こんなマンガ全開のお話でも無理矢理涙にもっていく頭の悪さに泣けた。
他にも、要潤のセリフ回しがどこまで笑っていいかわからんとか悪役のキャラがダサ過ぎるとかそもそも瑛太が殺人犯に見えないとかフカキョン登場の度にスローモーションとか突っ込みどころはいっぱい有り過ぎるけど、 なんでかプロデューサーやスタッフに外国人の名前が多数、色んな意味で罪深い映画だなと思ってしまいました。
そして、どこまでが映画オリジナルかわからないけど、やっぱり、元犯罪者が警察に雇われて「退治する」と言いながら犯罪者を殺すのはよくても自分たちの大事な人は「守りたい!」と叫んだりする倫理観の中途半端さが意味不明。うーむ。
ついでに、「ワイルド7」の半分以上が知らない役者さんだったんだけど、私が遅れてるだけなのでしょうか。