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1.12

『歴史は女で作られる』

ワイハからちらちら色んな人のつぶやきを眺めているとどうやら映画初めにはこの作品以外有り得ないっぽかったので素直にマックス・オルフュス監督『歴史は女で作られる』デジタル・リマスター完全版を見に久しぶりに渋谷へ。リマスター以前に、初見。
ヒロインであるローラ・モンテスという女性が歴史上に実在した人物だとも知らず、この映画自体に様々な不幸な過去があったことも知らず、ただ、豪華絢爛なコスプレもののお姫様映画ぐらいの意識で見てしまったら、確かに心底うっとりする程の華やかでゴージャスな衣装と舞台装置にぞくぞくするカメラの動きに魅力的な役者さんたちにとテンションの上がる要素は満載で事実ほんとに素晴らしかったものの、内容的には結構ヘビーにブルーで、「へルタースケルター」を映画化するつもりの監督さんは是非見ておいた方がいいじゃないかしらと思ったりした。でもほとんど会話のない女と男の出会う瞬間には毎回素直に恋ってステキとくらくら。基本的にピエロ的なものがめちゃくちゃ苦手な私には完璧に美しいサーカスのシーンはほとんどホラーでしたが(あのダミ声の赤いの、何?)。
馬鹿な男どもに振り回されて上がったり下がったりする女の一生、が映画の冒頭で既に見世物で俗悪なワイドショー、やっぱ「本物の革命!」を起こすにはこれくらいビッチじゃないとねと感動、他にも色々見習いたい点があったものの酒と煙草を禁止されてもやめなかったローラさんは39歳で亡くなったそうで、そこまで頑張ることもないかと揺れるせこい女心であった。しかし堕ちていく女は確かに死ぬ程エロくて魅力的。
と、2012年の幕開けに相応しい映画体験、イメージフォーラムさんがあと10分予告を短くしてくれて場内の乾燥対策をしてくれれば言うことなしでございます。

と書いた後に実際リリコのモデルだったと知った。そりゃそうか。