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1.15

『テトロ 過去を殺した男』

未だ自宅から六本木への最短距離を掴めないまま、フランシス・フォード・コッポラ監督『テトロ 過去を殺した男』(09年)を見に行ってみた。
このタイトルと舞台がブエノスアイレスってことからめちゃくちゃ勝手に政治的な内容を想像していたのですが、蓋を開けてみるとファザコン兄貴とブラコン弟が痴話喧嘩してるだけのお話でした、が、同じようなことを宇宙や地球を持ち出して壮大に語ってみても呆れる程の小ささだった某テレンスさんの映画とは大違い、モノクロ画面の中をアルゼンチンの小さな町を舞台に数人の男女が騒いでるだけなのにそこに世界中の光が集まってるような美しさとスケール感と怖いくらいの若々しさ、大変感動致しました。ギャロの、黙ってるだけで次に何をしでかすかわからない無表情がかっこよし、最後もうちょっと斧を活用してくれれば言うことなかった。初めて見た弟役の俳優くんもえらい可愛らしくて将来が楽しみ。
真面目な話のはずなのに途中カフェでの猿芝居や突然始まる乱交パジャマパーティーに微笑みつつ、前作から続く海とクレジットの短さに心打たれて涙。犬が引かれそうになるシーンにはびっくりして思わず軽く叫んでしまった。
と作品自体は大絶賛するけれど、自分がローマンかソフィアだったら父親にこんな映画撮られたら絶対いや。親父エロ過ぎ。