BLOG

1.28

ヒミズの森

本日も吉祥寺バウスシアターさんにて勝手に二本立てデーを実施。
実は過去の監督作をまともに見たことがなければ特に見たいとも思わないけれど主演のふたりが気になって園子温監督『ヒミズ』にチャレンジ。問題作として人気らしい原作マンガについては全然知らない。
で、見てみた感想としては、確かに染谷将太くんは泥やらペンキやら目の下のクマやらにまみれて頑張ってたと思うし初めて見た二階堂ふみという女優さんは肉付きのいい宮﨑あおいなんだなと確認出来たしやっぱり窪塚洋介はいい役者だなと感心できた。内容も、80年代生まれのゆとり世代はすぐ人殺しとかしちゃってやっぱりダメねーって話として、個人的には映画として何が面白いのかさっぱりわからなかったけど、こういうアカの他人を追いつめ系の映画が好きな人や不幸こそが青春だと思ってる幸せな人たちが世の中にはいっぱいいるってことは最近薄々気付き始めたので、まあこれはこれである意味いいんだろうな程度に見れた、がしかし。そこに被災地の映像を挟んだりしだすから事態はやっかいに。
東日本大震災で何もかもを失ったらしいホームレスのおっさんは百歩譲って理解するとしても(それでももちろん失笑したけど)、自分の酷い環境を憎みその一因である父親を殺してしまった青年の再生と福島の再生が同じところで描かれるって、それとこれってマジで関係なくね?って言うかそこ一緒にしたら本格的にヤバくね? 若者の未来のために光石研は殺され地震は起こったってか。アホくさ。

と荒んでしまった心に癒しを求めて、夜はアピチャッポン・イン・ザ・ウッズにて『ブンミおじさんの森』を爆音上映で鑑賞。通常の上映で二回見てる作品だけど、まるで初見のような感動と体験。「聞こえない音を聴く」という日本語として成立してないはずの感覚を感じた、気がした。目の前から頭の後ろから聴こえる森の音たちにまるでほんとに森の中にいるような錯覚を覚えるも、現実の森であんなに腹の底に響く低音が轟いてるはずないし。エロナマズまでなんだかかっこよく見えたからすごい。しかしこの映画は、三回見ても三回ともウトウトさせられて、タイの森の如く未だ完全な姿が見えない。