2.01
『月光ノ仮面』
ほんとは別の映画目的で渋谷に出たんだけれど今日が映画の日だなんてまったく意識になくて、上映10分前にシネコンに着いたらまんまと満席、慌てて近くの劇場ですぐに見れる作品を探した結果、板尾創路監督『月光ノ仮面』に辿りつきました。ちょっと気になってた作品だから別によかったんですけど。お話のベースは有名な古典落語「粗忽長屋」、だそうですが、それについては全然知らない。
富士山をバックに西部劇のような荒野からゆっくりと現れる男、このファーストカットに浅野忠信が出演って板尾監督まさかの『ココロ、オドル』かと一瞬めっちゃテンションがあがり、後々それはさすがに期待し過ぎたかと思うものの、最近のその辺の邦画なんかより全然まともで立派な映画だと感心させられました。堤幸彦監督が「盗みたいカットばかりだ!」とコメントしてはりますが、素直に盗んだ方がいいと思います。
主演の板尾が最初から最後までまともな台詞を一言も発さず正体すら曖昧なままな中、戦争の悲惨さと女の怖さはきちんと伝わったし、ドクター中松の偉大さもしかと受け止めた。ただ、ここまで地味な作りで引っぱったなら最後までそれを通した方がより面白かった気が。ラスト衝撃の銃撃シーンがちょっと『告白』みたいになってて残念(っていうかあそこで「月光」流そうよ…)。せっかくのたーくんの落語ももうちょっと聞きたかった。こんなに無愛想でわけのわからない映画に出資する吉本興業はやっぱりいい会社なんじゃないかとちょっと思った。
今回はコネとか他人の名前とかせこい手を使わずに自分の名義だけで一本勝負、さすがに絶対無理やろうなあと思いながら一応申し込んだオザケンのコンサート、ひょいっと当選してしまった。さすが後厄。