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2.03

『糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護』

関係者でもなんでもないのにしゃあしゃあと試写室に潜り込んで井川耕一郎監督『糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護』を拝見。
渡辺護という、1965年デビュー以降300本以上映画を撮られてる大ベテラン監督についてのドキュメンタリー映画、だけれども、不勉強な私は渡辺監督の映画を見たことがなく。そんなことでこの映画についていけるのかしらと見る前はだいぶ不安だったのですが、そんな失礼な人間にも十分楽しめる作品でした。面白かった。
122分の大半は、渡辺監督が井川監督の質問に対してタイトル通りご自身のことをずーっとお話してるという内容なんだけど、戦前の幼少時代から空襲体験、初めて助監督についたときのことやデビュー作撮影当時の話しなんかが監督のサービス精神もあり聞いてて全然飽きない、笑える。渡辺監督がいかにプレイボーイだったかとか、衣笠貞之助『雪之丞変化』の細かいカット割とか。監督の処女作『あばずれ』が今は見れる方法がないことがなんとも残念。しかし終始にこやかにお話してる監督のお姿を見てすっかり気の優しいおじいちゃんと思ったところに、終盤少し挟まれる撮影風景での鬼監督っぷりに背筋が凍る。本気で「大根!」と罵られるなんて、私には女優なんて無理。
今作は第一部ということで、以下監督によるピンク映画史や自作解説という内容で十部まで続くそうです。まとめてみるのは大変そうだけど、完成する度見続けていきたい。

打ち上げにもいらした渡辺監督が映画のことをさらっとシャシンとおっしゃってて、なんか感動した。