BLOG

2.16

『風にそよぐ草』

平日の夕方、お上品なおばさまたちに紛れてアラン・レネ監督最新作『風にそよぐ草』を見たんですがね、何これ。アラン・レネってもっとかしこ系の監督さんじゃなかったの。こんな男性の股間のアップ、ファレリー兄弟の映画以外で久しぶりに見たんだけど。風にそよいでるの雑草ばっかりやし。
昨日のカーチス師匠同様元気なじいさんが主人公なものの、こいつが見知らぬ女の手帖を拾ったことから始まる激し過ぎる思い込みに、ちょっと頭おかしいって設定なのかなと思ったら周りの人間もみんななんかおかしい。映画も、サスペンスかと思ったらコメディかと思ったらメロドラマかと思ったら、エリック・ゴーティエのカメラが楽しそうに動き回る。お年寄りはわざわざロボットに入れなくても十分元気で安心しました。途中からもう面白くて仕方なくてゲラゲラ笑ってしまったけど、周りのお客さんたちがどう感じてたかは微妙。相変わらずマチューはかっこよくて、エマニュエル・ドゥヴォスは骨太(イメージ)だった。
予告ではイオセリアーニ様の新作が流れるし、飛行機に乗って飛んでいったり人魚になって泳いでいったり、ヨーロッパにはおじいちゃん監督が元気になる薬でも売ってるのかしら。

の前にせっかく神保町に来たんだからもちろん東京堂書店で開催中の「港の人」全点フェアをチェック。本屋のカバーは断る派の私にとってはたまらない、美しい本ばかりで楽しかった。