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2.20

『人生はビギナーズ』

予告を見てちょっと気になったマイク・ミルズ監督『人生はビギナーズ』を見に行ったバルト9さんの、今頃当日券の販売を全部機械化する意味はよくわからない。
44年間連れ添った妻が死んで5年後、75歳で突然ゲイだとカミングアウトし癌で死ぬまでの数年感をエンジョイした父と困惑するひとり息子、という内容から勝手にゲイにまつわる感動コメディ映画を想像してたら、それはあくまで思い出として語られるだけで、メインは冴えない大人のシンプルなラブストーリーであった。お話のほとんどが監督自身の実話ということでそう簡単に笑い話にできないんだろうけど。もちろん父親が息を引き取るシーンでは号泣、もしかしてぽんちゃんもゲイだったのかしらと思ったけれど、貰ったときから去勢してた。
映画の雰囲気とか流れる音楽とか、最近のウディ・アレン深刻版かと考えると色々納得、可愛らしくていい映画だったけどそこもアレンらしく90分くらいにまとめてくれたらもっと良かった。主演のふたりがそれまではいい感じだったのに同棲を始めてからぎくしゃくし出す下り、そんなもん今更映画で見せられたくないし、十代ならまだしも38歳の独身男が自分が女性と上手く付き合えない理由を母親のトラウマに押し付ける回想シーンも要らないんじゃなかったかしら。しつこいくらい、人の考えなんて時間が経てば変わるもんだと説明押しでいくのは全然いいと思ったんだけど。
ユアン・マクレガーのダメな感じもよかったし、メラニー・ロランちゃんのボサボサ頭もめちゃくちゃ可愛かったんだけど、今回はアーサー(ドッグ)にやられた。こいつのつぶやきがたまらないのと、みんなが彼を捜すワンカットだけでいい映画だなと思ってしまいました。