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3.05

『ワンダ』

なんかあんまり誰も騒いでないけど、あやまんとボーちゃんの熱愛報道に嬉しいような悲しいような非常に複雑な心情になってるのは私だけなのでしょうか。

それはともかく、直前までこんな上映があることすら知らなかったのですがアテネフランセさんのつぶやきのおかげでバーバラ・ローデン監督『ワンダ』(71年)なんて素晴らしい映画を見ることができて、Twitterに多謝。
エリア・カザンの妻で女優だったというバーバラさんの名前すら今回初めて知り、映画監督としては今作が処女作にして遺作の唯一の作品、だそうです。英語台詞にフランス語字幕だったけど、なんとなく話はわかった、はず。というか字幕があったところで大した意味もないだろう、とにかくバーバラさん演じるワンダという女の、どうしようもなくだらしなく切ない姿を眺めてるだけでカサヴェテスの映画を見てるときに似た胸の苦しみ。そんな女がこれまたどうしようもなく酷い男につかまってずるずると銀行強盗まで一緒にやってしまう(しないけど)というあらすじは一応あるけど、ワンだがカーラーを巻いたまんま採石場や街中をうろうろする姿に(そしてそのカーラーが何の意味も果たさなかったという髪質に驚き)バーバラさんが自分が演じてまでこの映画を作った理由を理解できた、気がした。ワンダはよく食べる。これはフィルム上映で見れてよかった。
上映後に行われたドミニク・バイーニさん(お元気)の講演によると、脚本の元ネタは小さな3面記事とのことで、その事実がまたなんか泣ける。