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3.15

『ピナ・バウシュ 夢の教室』

昨日やっと行ってきましたよ、話題の代官山蔦屋書店。まあとにかくあのDAIKANYAMA GARDEN全体に漂うオサレでハイソな空気にひとりきょどりまくりながらうろちょろして、確かに本や雑誌やDVDの品揃えは素晴らしく、その他も色々サービス充実しまくりらしく、暇つぶしには最高の場所やなと感心したけれど、私の場合利用するにはまずTSUTAYAの会員になることから始めなきゃいけないのが面倒過ぎて最終的に何もできず、無念。でも置いてある本などは併設のスタバでゆっくりお茶しながら読み放題とかで、ご近所さんは行ってみても損はないかと思われます。
でついでに久しぶりに代官山をプラプラしたんだけど、こんな街でもさすがに以前には考えられない程空き物件が増えてて、うーむって感じだった。

そして本日は、3Dより先にアン・リンセル監督『ピナ・バウシュ 夢の教室』をレイトショーで。映画以外の娯楽の中だとコンテンポラリー・ダンスは結構好きな方なんですが、それでも機会を逃し続け生前のピナの舞台はとうとう生で見ることはできなかった。
映画の中で文章や台詞による具体的な説明が一切ないものの、後で説明を読むとどうやらピナさんの代表的な作品「コンタクトホーフ」を、ドイツの踊りに関してまったく素人の若者(多分ほとんど十代)が再演する試みの、本番までの10ヶ月間のドキュメンタリー。実際に細かい演出をしてるのは過去の舞台で主役を演じた女優さんらしく、多忙なピナさんはたまにダメ出ししにくる程度でしたが、特にダンス経験もなく、始めはみんな知り合いでもなんでもなく、ばらばらな背景を持った子どもたちが、時間を重ねるにつれ仲良くなったり表情がかっこよくなったり身体の動きが本当に美しくなったりするその様子だけで十分泣ける。もちろん子ども相手に指示を出す大人たちも苦悩している。最後の本番シーンでは舞台の観客に混じってこちらからも拍手したくなってしまった。もちろんふらっと現れては重要なことを一言二言呟いて帰るピナさんのかっこいいこと。私も明日からタバコをキャメルにしようかしら。
見ながら猛烈に思い出したのは、10年以上前に世田谷パブリックシアターで拝見した如月小春さんが地域の中学生たちと作った舞台(タイトルを失念…)。あれを見たとき、こんな前衛的な世界を理解しながら演じられる子どもって、やっぱり東京って凄いなあと強い衝撃を受けたのだが、今回も同様、幼いときに本当に凄い大人に出会うという経験をするって、唯一羨ましい。あの緑のワンピースの少女は必ずこれから人気モデルか女優になるだろう。
にしてもやっぱりどこの国でもどんな人種でも、女子の方が大胆で大人なのね。「稽古は大変だわ。でも恋に落ちたと思えば平気よ」って、死ぬまでに一度は言ってみたい。にしてもヨーロッパのガキは発育が良過ぎないか。