『ポエトリー アグネスの詩』
なんか、あんな日記を書いたというのに「どうも『SHAME』が気になって…」という声がちらほら。所詮男なんて。
こっそり告白すると何度チャレンジしてみてもどう感じればいいのかわからず、詩というものには強い苦手意識があるもんで、最後まで主人公が詩を創作することに何を求めていたのかというメインテーマを受け止め切れたとは到底思えないんだけど、イ・チャンドン監督『ポエトリー アグネスの詩』 が中々いい映画だなってことはなんとなくわかった、はず。今まで見たイ監督の作品の中では一番好きかも。
が、孫の中学生男子を女手ひとりで育てているハンメに、その孫が酷い事件を起こしたとの知らせ、苦しみながらも孫が犯した罪を背負うように初めての詩を完成させていくそして忘れていく女性の姿はもちろん大変感動的で、最後の詩に繋がる瞬間なんかは中々どころじゃなくとてもいい映画だと言いたいのはやまやま、なんですが、私の根性が曲がり過ぎているせいか、どうもこの主人公の女性の、ぶりっ子なのか天然なのか病気のせいなのか、66歳にしては可愛らし過ぎる性格とファッションと常にピンク使いの激しいメイクにちょっとイライラしてしまい、いい人やけど近くにおったら避けるやろな…とか思ってしまって。世間知らずのおばあちゃんという設定なのかこういうピュアな人だから詩を愛するってことなのか、まあこれが鶴橋のおばはんみたいでも映画の趣旨が変わってきて困るとは思うけど。ヘルパー先のじいさんとセックスするのはだから逆にいいなと思えたんだけど。
ただイ監督の映画はいつも韓国のキリスト教が絡んでくるので、その辺の知識がまったくない一応日本人としてはどこまで理解できてんだかできてないんだかという不安が残る。あの久しぶりに見た感じのする、まったく可愛がられてなさそうな飼い犬が最後にもう一度出てきてくれたのは嬉しかったです。