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3.26

『pina ピナ・バウシュ踊り続けるいのち』

なんとか復活して、やっとヴィム・ヴェンダース監督『pina ピナ・バウシュ踊り続けるいのち』 を3Dで。春休みだからか平日の昼下がりだというのにシネコンの劇場はほぼ満席で、ヴェンダースの映画にこんなお客さんが入ってるなんてと上映前からひとりで興奮してしまった。
数日前にも書いたようにピナさんの舞台を一度もまともに見たことのない私にとって、この映画は単純に、凄いダンスが見れる!ってだけでも十分に興奮するに足りる内容となってるし、今までコンテンポラリーダンスに興味のなかった人でも十分楽しめるんじゃないかしらん。もちろんそれだけでなく、ただダンスや演劇の舞台をカメラに納めてる以上に、ピナ・バウシュの舞台をヴェンダースという映画監督が改めて撮影と編集で新しい作品に作り直してるという事態にもわくわくしたし、それが3Dになることによって、近くにいるようなリアル感、とは真逆の、映ってる肉体がCGのように見えてしまうデジタル感と、過去のフィルムの中にだけ現れる2Dのピナさんの姿と、その距離にぞくぞくしながらも、白黒フィルムに映るピナさんの美しさにくらくら。泥や街中や水を浴びながら踊り狂う現在のダンサーさんたちも十分美しかったんだけれども。立体感という意味とはまた違う3D映画の楽しさを見せてもらった気がしました。でも、エンドロールが終った瞬間(まだ場内が暗い状態)隣に座っていたお上品な老夫婦のおじいさんが大声で「変なものがあるもんだね!!」と叫んでいて、それもそうだなとも思った。
それにしても、登場するダンサーさんたちの年齢層の高さにびっくり、みなさん超人過ぎ。そして一瞬だけど『夢の教室』の舞台も映って、まさかあの子たちを3Dで見れるとは!と静かに感動した。

で、いやーいい映画見たねえなんてじーんとしながら外に出てみたらまだ陽が暮れておらずお酒を呑むにはまだ早いかーと時間潰しついでに新しいiPadを買ってみた。