4.19
『忘れられぬ人々』
一度見た映画は滅多なことがない限り見直さない派の私にしては珍しく、オーディトリウム渋谷さんで開催中の「映画美学校 春の感謝祭」 にて、篠崎誠監督『忘れられぬ人々』 (00年)を公開当時テアトル新宿以来に再見してみたら、本当に、12年前の自分は一体何を見ていたんだってくらい思いっきり感動、号泣。こんなに凄い映画のことをよくわかっていなかったなんて、若いってほんとろくなことないのな。宇多丸氏のコメントをまんまパクると、マジでイーストウッドがパクったんじゃないかってくらい『グラントリノ』だった。
戦争体験を通じてつながるおじいちゃんたちの、三橋達也さんのうっとりするような渋さももちろん、青木富夫さんの可愛らし過ぎるお茶目さももちろん改めて素晴らしかったんだけれど、今回は私がそれなりに歳をとったせいか、大木実さんと内海桂子さん夫婦のやりとりにいちいちボロ泣き(しかも監督のご両親がモデルだなんて聞いたら更に)。十数年先あんな老夫婦になりたいものです、ほんとーーに。
見直してみて改めて、画面いっぱいにここまで老人しか映ってない映画ってのもすごいなとちょっとびっくりしたけれど、場内は00年にはまだ小中学生ぐらいだったろう若者が結構溢れ返ってて、ハーモニカやフォード車のように(ついでに言えばウッディーとバズのように)、これから先もどんどんつながって見直されるべき。更なる再上映希望。
終映後、なんでか渋谷の居酒屋で、シネマテーク・フランセーズの偉いおじさんとお酒を呑みながら夜を明かした。イーストウッドとランチしたことあるとか言ってて、ずるい。