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5.19

『ある秘密』

昨夜は、素敵女子のお誘いを受けて、松江哲明・古澤健の勝手に映画宣伝部vol.6「バトルシップ」編 なるイベントを拝聴。『バトルシップ』についてのおふたりの噛み合ない感想から始まったトークはあれよあれよとあっちこっちに広がりまくり、その収集のつかなさは大変面白かった、のだが、収集つかな過ぎで19時半スタートで終了23時って、結構すごくないか。笑えたからいいんだけど。初めて見た『バトルシップ』の元ネタ動画(こちら) には普通にびっくりした。結局そういう映画だったのね。

本日は、イメージフォーラムさんにて開催中のフランス映画未公開傑作選 にようやっと向かい、他の二本は一応既に見てるのでとりあえずクロード・ミレール監督『ある秘密』(07年)を鑑賞、感動。こっそり告白するとミレール監督作品は今までろくに見たことなく、この作品もどんな内容か一切知らずに挑んだのですが、まさかこんなにも美しく切ない壮大な戦争映画だったとは。
モノクロで描かれる(映画の中の)現在の主人公のモノローグから始まる謎めいた「秘密」が、最初はただの繊細な青年の独りよがりな悩みのように見せかけて、様々な時間や場所や人種や男女や人間や幽霊や秘密や現実が実はナチスによる占領という歴史の元に語られるべき悲しい事実だったんだとじわじわわかってくるときの衝撃、戦争にまつわる話だからって派手な描写があるわけではまったくないけど、抵抗しつつ泣きながらキスする女の顔に涙せずにはいられなかった。まあ結婚式当日に他の女に目移りする旦那が悪いとは思うけど、誰のせいでもない不幸が、カラーになって終るとき、なんていい映画なんだとまた涙。
『少年と自転車』に続き(こちらの方が先だけど)セシル・ドゥ・フランスの逞しい美しさ(引きになるとちょっとダイアナ妃に似てるなと思ってしまったけど)がほんと素敵で。相当な大惨事の真っ最中でも優雅に川で水泳するのもなんか納得の存在感でございました。