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6.09

『ガール』

深川栄洋監督『ガール』は、なんの期待もしてなかったわりには良かった、というかむしろ好感すら持ってしまったのですが、この作品のコピーに「きっと、あなたがここにいる。」なんて言われると、いやそれならやっぱりジーナ・ローランズの方が近いかもとも思わなくもない、けど、今の日本での女性の生き難さに対して中々真摯に向き合った映画だと思えました。
ざっくり説明すると、ガールと呼ぶ程もう若くもない仕事も恋も頑張るアラサー女子たちの、悩んだり苦しんだりしながらも前向きに生きていくお話、というのはまあ想像通りなんだけど、本来はメインであるはずの29歳の主人公よりも、明らかにその友だちである30代女子への方に監督さんが向いていてい、特にシングルマザーで頑張る板谷由夏パートの本気度が明らかに他と違って、暗闇でキャッチボールのシーンはちょっと泣きそうになってしまった。他にも、イタいけど仕事のできる上司を演じる檀れいや、ほとんど飾り気の無いメイクや服装で頑張っていた吉瀬美智子を初めていいなと思えた。密かに好きだった加藤ローサが復活してたのも嬉しかった。そんな中、ラストに諏訪太郎が活躍。
ファッションの仕事に携わる主人公演じる香里奈(なんの悪意もないけど、この女優が名古屋出身ってめちゃくちゃ納得できる)が、「オシャレは生きる活力☆」とか言いながら身につけているものすべてが何かの罰ゲームかってくらいのダサさで、頼むからスタイリスト変えてくれと頭を抱えてしまったのが日本映画の残念なところかと改めて痛感。