6.13
『ミッドナイト・イン・パリ』
某画伯から散々「とにかく(映画が)かわいーの!」と猛プッシュされていたウディ・アレン監督『ミッドナイト・イン・パリ』をようやく。冒頭から、パリの風景ショットのしつこさにちょっと笑ってしまったが、確かに可愛いとしか言い様のない憎めない映画だった。
ハリウッドで脚本家としてそこそこ成功してる主人公が婚約者とその両親と訪れた憧れの街パリで、ひょっこり1920年代のパリに毎夜タイムスリップ、そこでヘミングウェイやフィッツジェラルドやともっと憧れていた芸術家たちと共に古き良き時代を無邪気に満喫する、調子に乗ってピカソの女を口説いてみたりブニュエルに映画のアドバイスしてみたり。現代のアメリカ人からしたら今でも十分夢の国なパリが更に輝かしい時代になる、そんなこの映画自体が古き良き時代の見たことのない映画のようなファンタジーに見えてきて。そこまで真面目なウディ・アレンファンではないけれど、いい歳して養女に手を出すような変態オヤジが77歳になってこんな作品を作るって、可愛いを通り越して不気味なような気もしなくもないが、ダリやガートルード・スタインを演じてる役者さんたちがなんだか楽しそうで、これはこれで多分とてもいい映画。
以前から大好きなレイチェル・マクアダムスもマリオン・コティヤールもめちゃくちゃ可愛かったけれど、やっぱりここはオーウェン・ウィルソン。彼がウディ・アレンみたいな早口で喋りまくってる姿を見るだけで十分笑える。おじいちゃんいい後継者見つけたねえと勝手にひと安心、と思ったら次回作の主演はジェシー・アイゼンバーグとの噂。それは。