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6.14

『9souls ナイン・ソウルズ』

2003年の公開当時に見ているけれどあれからもう9年も経って、この度6月23日(土)よりユーロスペースさんでリバイバル上映される豊田利晃監督『9souls』 ニュープリントを親切な社長の御好意で一足お先に見せて頂く。私としたことが思いっきり試写室に向かう電車を間違えて5分程遅刻したことは秘密。
一度見ても備忘録として日記でも書かない限り「面白かった」くらいの記憶しか残らないもんで今回も細かいことはまるで初見のような感覚で見てしまったのですが、汚い穴から這い出てきた9人の脱獄囚が、もう一度穴に落ちることはわかっているのに、束の間の自由にはしゃぎ回る姿はなんとも可愛らしく、9年前の自分はまだ男子のバカっぷりを笑うだけの心の広さを持ってなかったという理由もあるだろうけど、最近の豊田監督の、なんて言うか、観念しか映ってないような暗い作品に比べ、このポップな悲惨さは2012年の今見ても素直に楽しめるんじゃないかしらん。渋川清彦が途中からゴリにしか見えなくて困った。
しかしそんなことより、原田芳雄含め9人の男たちが必死で疾走してる姿だけで十分かっこよかったけど、この頃の松田龍平の体育座りが許される繊細さや、ほんとに一人くらい殺してるとしか思えない事故直後の千原ジュニアの犯罪者顔をフィルムにおさめてるだけでもこの映画はすごい気がする。マメ山田のセーラー服姿も一見の価値有り。