6.20
『私が、生きる肌』
何を見ても今イチ好きになれないペドロ・アルモドバル監督ですが、最新作『私が、生きる肌』は、変態オカマもここまでやってくれれば大満足と感動できる頭の狂った映画で、トンデモサスペンスとして楽しんでしまいました。この人はとにかく死んだ人間を生き返らせたいんだね。
人工皮膚のスペシャリストである天才外科医の主人公はどうやら愛する妻を事故で亡くした過去があり、別の女性を亡き妻そっくりに作り上げて監禁してるらしい、までは、なんか「ブラック・ジャック」に出てきそうな話だなくらいの軽いノリで見てたら、そこからがまさかの展開。ラリってうっかり強姦なんかした日にゃ、タトゥ姐さんもびっくりのお仕置きが待ってます。ぼかし入りまくりの過激なセックスシーンが多いですが、中学生の性教育とかで教材にすればいいと思う。
ばりばり凝りに凝られた端正な画面、役者たちの緊迫した芝居、ゴルチェによる美しい衣装、凄いのはわかるけど、最後には笑ってしまった。暴走したピュアな愛が最終的に切な過ぎて泣き笑いってのはあるけど、これはなんか違う。普通におもろい。
ものすごい役を引き受けたエレナ・アナヤという女優さん、顔も身体もめちゃくちゃ綺麗のに衣装がほとんど全身タイツだったり虎の着ぐるみ男に犯されり、散々過ぎて不憫だった。
ここ数年の素朴な疑問、なんでスペインと韓国の映画って妙に画面に奥行きがないの??