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7.07

爆音6

実は今回の爆音映画祭の中で最もドキドキしながらこの日を待っていた、クリント・イーストウッド監督『ヒアアフター』をとうとう。悪い大人たちにほざされて病床を抜け出し、上映中止直前の映画館に駆け込んだのはもう一年以上前のこと。
と一度見たはずなのに、冒頭の展開の早さには改めて驚き、映画が始まって数分後何ひとつ理解する間もなく現れるあの大津波を爆音で体感したときにはさすがに全身鳥肌が立つ程恐ろしく、なんかもうそっからぐずぐず泣きっぱなし。あまりの感動に、どう考えても狂ってるはずのSM料理教室に流れるオペラさえ泣ける音楽のように聴こえてきたから不思議。隣に座っていた女性がちょっと心配になるくらい最初から最後まで号泣してらした。
しかしスクリーンで見直してみて更に驚いたのは、こんなに黒かったっけ?ってことで、大好きなマット・デイモンはほとんど半分真っ黒な影になってはっきり顔が見えないし、生きているはずなのに幽霊みたいな陰気な顔をした少年がだんだんほんとに幽霊に見えてくるし、感動はしたけど変な映画やなあとも強く思った。でも霊媒はできても自分の恋心には子どもに言われるまで気付かない、可愛いラブストーリーでもあったんだなとも気付けた。
津波の水の音はもちろん、あちらの世界と繋がる瞬間のドン!という爆音や背後に響く雷にもいちいちドキッとしてしまったけど、エンドクレジットに流れる穏やかなピアノがまためちゃくちゃ素晴らしくて涙々。久しぶりに(我ながら酷いなと思う)思いっきりぽんちゃんを思い出した。柴犬にうつつ抜かしてる場合じゃなかった。