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7.11

『ラム・ダイアリー』

変わった経歴の持ち主な監督のことも伝説的らしい原作者のこともよく知らないまま見に行ったブルース・ロビンソン監督『ラム・ダイアリー』 ですが、なんか、こういう、特に具体的な野望があるわけでもない冴えない男たちがただお酒かクスリに酔っ払ってるだけで最終的に大したカタルシスもない映画を久しぶりに見た気がした。これはこれで、舞台となってる眩しいプエルトリコの空気や流れる音楽のセンスのよさをただ楽しむだけで十分面白く、見ながらモヒートでも呑めたら最高なのにと思ってしまった。小さなライブハウスのシーンや久しぶりに特殊メイクなしのジョニー・デップが金髪の美女を助手席に乗せながら真っ赤なスポーツカーを飛ばす姿にはそりゃあ胸は高鳴る。ドラマチックなふたりの出会いもよかった。セックス風運転シーンとやたら声の高いバカバカしい祈祷師にはほぼ貸し切り状態の場内でひとりげらげらと笑ってしまった。
金髪美女演じるアンバー・ハードちゃんの大人なような子どものような赤い唇に思いっきり恋に落ちたのに、あの消え方はちょっと残念(後に結婚したと知って安心したけど)。この度ようやくフリーになったジョニーと、今後お近づきになることが同じ地球上に存在してる限り可能性がいくらゼロに近くてもゼロじゃないってことよなとまっとうな下心で会いに行ったのに、最新のゴシップ紙によると離婚騒動はガセだとか書いてあって、色男に遠隔で振り回されてぐったりですよ。
しかしこのプエルトリコという島は水道水よりラムを呑む方が簡単だなんて、まさに夢の島。死ぬまでに一度は行ってみたい。