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7.18

JLG1

暑い、ですね。でもなんか話題になってるらしいから見逃すわけにはいかぬとひーこら宮益坂を頑張って登って、ホセ・ルイス・ゲリン映画祭になんとか辿り着く。イメージフォーラムダイエットでもしよかな。
ひっそり告白すると、監督の『シルビアのいる街で』にはそこまで乗れなかった派なのですが、本日見た『メカス×ゲリン 往復書簡』(11年)と『工事中』(01年)は非常に面白いと感じたのでした。
ジョナス・メカス監督とゲリン監督のホームビデオの送り合いのような『往復書簡』は、様々な土地で撮られたやわらかなモノクロ映像にきらきらと光が反射し、鎌倉の小津のお墓で締めてくれるゲリンさんに対し、NYの事務所らしき室内音楽を流しでゆるゆる踊る若者やひょっこり路上でダベるジム・ジャームッシュ監督が現れたりするメカスさんの、どっちがいいとかじゃなく、ふたりの映画に向かうやりとりがとにかく感動的で。最初に画面の外からメカスさんの飄々とした声が聞こえた瞬間で既にちょっと泣きそうになってしまった。メカスさんちの猫は無抵抗主義で素敵。
続けて見た『工事中』(01年)は、バルセロナのあまり裕福でなさそうな土地の古い団地みたいな建物が大規模に解体される様子とその周辺の人々を撮り続けたドキュメンタリー作品。建物の下からうっかり数千年前の遺跡やシャレコウベが発見されて話題になったり、土方の青年が向かいの建物で洗濯物を干す少女に恋してしまったり、幾つかドラマチックなことは起こるものの、基本的には工事のおっさんの愚痴や、近所の飲んだくれのおっさんの愚痴や、マリファナで飛んでるカップルの痴話喧嘩や、「工事中」に直接関係あるようなないような人たちの姿が映されているだけど、これがまったく退屈せず、乱暴なはずの解体されていく建物もゲリンさんマジックでなんだか美しいもののように見えて、133分と言わずもっと続いてほしいと思ってしまう程で。最近さぼりがちだったドキュメンタリー映画全般ももっと見たくなってしまった。バルセロナにも雪が降るんだと初めて知った。きれいだった。