7.21
「影の部分」
原宿VACANTさんで行われたイベントに行ったのはもう数日前なはずなのに未だ余韻にひたっている、秦早穂子さん×菊地成成孔氏トークショー「ヌーヴェル・ヴァーグ前夜」。いやあかっこよかったあ。
雑誌「真夜中」に連載中から読むのを楽しみにしていた秦早穂子さんの「影の部分」 (リトルモア)出版記念のイベント、場内は98%オシャレでキレイな女性客で満席。戦後すぐ二十代で単身パリに渡り、ゴダールの『A BOUT DE SOUFFLE』(息切れ、という意味だそう)をラッシュ20分見ただけで買い付けを決定、『勝手にしやがれ』という邦題も秦さんがつけられたという伝説は今更すごいとか言うことでもないけれど、この本を通して読んで、こんな女性になりたいというのもおこがましいくらい完璧にかっこよすぎて、一体御本人はどんな方なんだろうとドキドキしながらスタートを待っていたのですが、登場された秦さんは予想を一切裏切ることなくと言うかそれ以上に素敵で、多分あの上着はシャネルなんだろうなあ、ゴダールのひとつ年下という、もうそれがどういうことなのかもわからなくなってしまったのでした。一緒に仕事したりしたらめっちゃくちゃ怖そうやなとも思ったけど。
会場で公開された『女は女である』の撮影現場に秦さんが遊びに行ったときの、カフェで並ぶアンナ・カリーナとベルモンドとゴダールと秦さんの談笑している写真とか、アラン・ドロンやジャック・タチとのツーショットとか、フィクションとしか思えない現実のあれこれに思いっきり酔っ払った夜だったのでした。 満足。