『メリダとおそろしの森』
昼間、自宅のエアコンにぬくぬくと守られながら日が暮れるのを待ちつつ全国高校生クイズ大会(去年の再放送だけど)を見てたんですけど、出場者の99%が男子でびっくりしてしまった。肉体的な性差が必要な世界でもないのになんでこんな現象が起こってるのか、素朴に疑問。モテないからガリ勉に走るってのは女子だってあるだろうに。変なの。しかもあいつら頭良過ぎ。
で、マーク・アンドリュース&ブレンダ・チャップマン監督『メリダとおそろしの森』を3D吹き替え版で見てみた(原題は『Brave』、監督のひとりは女性)。
最近のピクサーアニメの中では最速の語り口と映像で、よくここまで詰め込んで100分に収めたとまずそのことに感心、3Dアニメならではの馬や熊たちの疾走感に感動。そして、王国を仕切る超保守的で優しいけれど厳しい王妃と、その教育に反抗する男勝りな娘メリダが、 お互いへの反発を経て「運命は自分で切り開く」と想いがひとつになる瞬間、家庭的なはずの母がものすごい姿(文字通り野生化する)で森を駆け抜けメリダは母の伝統を守る、めちゃくちゃ大胆な展開だけど繊細な母娘の物語につい涙。3Dメガネのせいか全体的に画面が暗過ぎてせっかくの細部や熊の姿がはっきり見えなかったことがかなり残念だったけど、馬鹿だけど憎めない男たち、可愛い三つ子ちゃんたち、期待を裏切らないピクサークオリティに改めてリスペクト。しかもメリダは自己チュー過ぎて結構うざい。
あの魔法使いと過去の王国の物語がもうちょっとお話全体に絡んできてもよかったかなあと思わなくもないしラストもうちょっと母親へのフォローがあってもよかったかなと感じなくもないけど、まあそれはワガママ言い過ぎか。相当よくできた女性映画です。それよりも、流行だからってAKBのどれかを声優にするのは作品に対して失礼ですよ。全然良くなかった。
そしてもちろん、本編前の短編アニメ『ニセものバズがやってきた』ではトイ・ストーリーの仲間との再会に震え、『月と少年』では愛らしいファンタジーに悶えた(これがまた立派な父と息子の物語)。もうねえ、ウッディかバズになら抱かれてもいいよってくらい好き。