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8.15

『ルードヴィヒⅡ世のためのレクイエム』

もちろん不勉強な私は、ルードヴィヒⅡ世が誰なのか、どんな歴史的物語があるのかも知らず、更にはジーバーベルクという監督の名前すら今回初めて知った事態で、完全に無垢な状態で、アテネフランセさんで開催中のハンス・ユルゲン・ジーバーベルク ドイツ三部作 に向かい、『ルードヴィヒⅡ世のためのレクイエム』(72年)を見たんですがね、何これ。
オカマでキチガイのルードヴィヒ国王がやっぱりキチガイな人々に囲まれてヴァーグナーだのヒトラーだのを巻き込んでの壮大なドイツ史の一部をああだこうだってストーリーは、とにかくその衝撃的な映像と音楽に圧倒されてほとんど頭に入ってこず。演劇の舞台のようなセットの前で展開される豪華なコスプレ劇、オペラを見たことがないので詳しくはわからないけど、多分オペラみたいな時間。でもそこに突然背景が真っ暗になったり、裸のねーちゃんが現れたり、いきなりドキュメンタリーみたいになったり、何これ何これとパニック起こして、前半は真面目に見てたけど最終的には笑いを堪えながらの鑑賞、が正しいのかよくわからないけど、こんな時代にこんな映画を作った人たちがいるという事実には静かに感動した。せっかくだからもっと音量もスクリーンもばかでかいところで体験してみたかったなあ。しかしこんな狂乱の134分を夏の盛りに見に来るお客さんたちで会場はほぼ満席で、現代の日本人も十分おかしいかとも思った。

で、劇場で遭遇した映画師匠たちと立ち寄った居酒屋では、店内にユダヤ人がいたら100%殺される的会話を展開。大爆笑しながら右手上げてた。