BLOG

8.20

『THE GREY凍える太陽』

本格的な夏バテにやられて家でぐったり引きこもってるところにまさかのトニー・スコット監督の訃報を知り、もう本当にやるせない気持ちになって何もかもイヤになりかけたけど、いやせめてもの追悼にとトニー&リドリー兄弟プロデュース、ジョー・カーナハン監督『THE GREY凍える太陽』 を見に行ってみたら、これがまた、この世を見限って一度は自ら命を絶とうとした男が最後には生きるために戦うことを選択するという話で、見たタイミングもあるけれど、途中から泣きっぱなし。なんで、なんでこんな映画をプロデュースして。ここまで人が息を引き取る瞬間をじっくり何度も見せる映画も久しぶりな気がした。
雪山で飛行機墜落事故に遭い、生き残った7人の男たちが南へと移動する最中、それはそれは恐ろしい狼の群れや自然の猛威に見舞われまくる、それをただ見せられてるだけっちゃだけなんだけど、男たちの個人的な背景とか主人公の過去とか、ほんとにそれ以外の細かいことがあっさり済まされ、ひたすら大雪!地味に大変!たまに手に汗握るアクション!(高所恐怖症の男が有り得ない綱渡りをするシーンはほんとにハンカチ握りながら見た)なのに、リーアム・ニーソンの重々しい無表情に涙せずにはいられないシーンもあり、地味にいい映画だった。せっかくの狼との格闘シーンが全部カメラ動き過ぎで何が起こってるのか全然わからなかったことだけが大変残念。あのウルフたち、ほんとにどうやって撮影したんだろう。てかリーアム兄さん、こんな映画出る体力あるならリンカーン引き受けてよ。
アラスカの雪山の大雪原がほんと半端なくて、見てるだけで寒くなれるので猛暑にはオススメ。見に行った際にはエンドロールの最後まで席を立たないようにご注意を。