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10.10

『夜が終わる場所』

先日、久しぶりにDVDで映画鑑賞、デニス・ドューガン監督『ウソツキは結婚のはじまり』 を見たんですけどね、これ、アダム・サンドラー演じるハリウッドの美容整形外科の相手役がジェニファー・アニストンで、かなり重要な役どころでニコール・キッドマンがいい歳して見栄っ張りな自信家のかなりキツい女の役を嬉々として演じていて、豪華キャストな上めちゃくちゃ面白かったのに日本じゃDVDスルーって、絶対おかしい。ファレリー兄弟の新作もそうだけど、アメリカコメディ映画ファンとしては非常に由々しき事態。超意味不明な黒人妊婦のスローモーションとかアニストンとキッドマンのフラダンス対決シーンとか、おもろ過ぎてやばかった。
しかしそんな愉快な気分もその数時間後に深夜WOWOWでやってた『アンチクライスト』を見てしまい、おじゃんに。なんか、もう、絶対無理、あれ。

昨日は、レイトショー上映中の宮崎大祐監督『夜が終わる場所』を拝見。
現代の日本を舞台に、主人公の職業は殺し屋、という時点でだいぶアグレッシブな映画だなと思っていたけど、映画自体も、がんがん決まる芦澤明子によるカメラ、シーンによってぐるぐる変わる照明、一貫しない役者の芝居、上映後のトークで樋口泰人さんもおっしゃっていたけど、全然繋がらない断片の集積が重なって辛うじて成り立ってるような不思議な感触があって、それはそれで大変興味深い映画だなと楽しんだ部分もあった、けれど、個人的には、その先にあまりにも何もなさ過ぎて、もしくは、その先が風俗嬢による「赦し」だというオチが中途半端で弱過ぎて、まったく似通わないシーンの連続があまりにもただそれだけの映画にしか感じられなかったのはちょっと残念な気がしてしまった。画面がいちいちかっこいいだけに、それだけに見えなくもないと言うか。あとやっぱり、日本の住宅街のど真ん中で真っ昼間から銃で人を撃ち殺すようなフィクションさをどこまで受け入れていいのかにもちょっと戸惑った。それでもオッケー、という説得力があるともあまり感じられないかったし、そういうダメ出しを言い出すと突っ込みどころがあり過ぎる映画か。あとやっぱり、風俗嬢=田舎出身の貧乏人、とか、わかりやす過ぎてちょっとずっこけた。
主演の中村邦晃という役者さんの、微妙過ぎる髪型や服装に違和感を感じさせない妙な存在感や、あの冒頭の家のロケーションは素晴らしかった。よくあんな場所見つけてきたなあ。