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10.22

『アウトレイジ ビヨンド』

公開前から楽しみにしていた北野武監督『アウトレイジ ビヨンド』をようやく見て、想像以上の面白さに大満足。
前作『アウトレイジ』の、爽快な暴力とコノヤローのエンターテイメントやくざ映画の続編を期待していた思いはあっさりと裏切られ、今回はだいぶ地味。盛り上がるのか?と思わせていや違うを繰り返す寸止め感にだいぶ痺れました。とにかくいかつい男たちの顔のアップと怒声と銃声だけで、相当複雑な人間関係ややくざ社会のあれこれをただシンプルに。この洗練され具合に静かに感動。そしてこのラスト、惚れた。
言うまでもなく、出てくる俳優がみんな素晴らしくて、前作からの三浦友和や加瀬亮はもちろん、今まであまり好きじゃなかった小日向文世が凄い。さすがに西田敏行はちょっとやり過ぎかなあと思ったけど(ここは素直に吉本の誰かでよかったんじゃないか…?)、一言も台詞を発さない高橋克典サラダ(居酒屋ハッピィの看板メニュー)まで良くて。光石研の貫禄のなさも素敵だった。たけしが登場する度「歳とったなあ」とちょっとドキっとしたけれど、そういう役なんだもんね。白いスーツをあんな風に着こなすおじさんも中々いないだろう。しかしドリルで拷問されて殺されたくはないものだ。