『くろねこルーシー』
(↑縦にするの忘れた…。)
既に発売中の「映画芸術」最新号にて、また懲りずに最新の日本映画についてああだこうだと難癖をつけております。よければご一読を〜。
しかしその記事の中でも触れている、亀井亨監督『私の奴隷になりなさい』はほんとよくできたポルノ映画(壇密萌え!)で、残念ながらDVDでの鑑賞だったので劇場で公開される際には是非見直したいと思っており、今まで亀井監督の作品をほとんど見てこなかったことを猛省、公開中の最新作『くろねこルーシー』には真面目に駆けつけてきました。サービスデーだからかほぼ満席でちょっとびびった。
ハードな調教ものエロ映画とは打って変わって今回は、映画の冒頭から登場する二匹の子猫が可愛くて可愛くてデレデレ。鑑賞中の私の顔は完全にぬけ作先生(「ついでにとんちんかん」)状態だったと思われ、そんなんで冷静に映画を見れてたかは微妙だけど、でも、30年くらい前の日本を舞台に(明確に年数は出てこない)、ボロくて狭いアパートに中年男と猫たちがいる様子、さびれたボーリング場、平屋の一軒家、人気のない港町、とにかく見事に見せてくれて、満足。切り返しが過ぎてちょっと笑ってしまいかけたけど、でもここまできっちりかっちり撮られた日本映画を久しぶりに見た気がした。多分監督さんは『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』をご覧になってるんじゃないかしら。
お話も、もちろん闇とはほど遠いほのぼのさだけど、妻と子どもに逃げられた冴えない父と息子の物語として立派にまとまってて感心、子ども相手の動物映画とナメてたら損する作品だと思いました。濱田マリは女優としてもっと評価されていいと思う。
それにしてもこのにゃんこたち、犬ならまだしもどうやってここまでおとなしく絶妙な芝居をつけられたんだろう。連日死闘を繰り返してる自分ちの猫たちじゃ絶対有り得ないから何か秘訣があるなら是非教えてもらいたい。そして黒猫飼いたい。