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11.04

『希望の国』

ちゃうねん、ほんまは話題の某アメリカ映画を見る気満々でシネコンのチケット売り場に行ったらばまさかの最前列しか空いてません宣告を受け、ショックと動揺のあまりじゃあ同じ時間に開演の作品ならなんでもいいですと口走ってしまってん、だから園子温監督『希望の国』を見るハメに。
あの園監督が原発問題を真正面から描いた問題作!ってだけで『ヒミズ』への怒り冷めやらぬ私は見る前からイライラ(って言うか先日のNHKのドキュメンタリー番組の時点で見るに耐えなかった)、見始めても、架空の土地「長島県」を舞台に地震をきっかけに起こってしまった原発事故を巡ってって誰が見ても福島なんだから福島でええやん中途半端に逃げんなよとイライラ、暴力や殺人が露骨に描かれない代わりに放射能が見えない暴力描写のつもりかよ結局問題がなんであろうと自分がやりたいことやってるだけやんとイライラ、 実際に被災して全壊した町を勝手に利用して妙に映画っぽい画面撮ってんじゃねえよとイライラ、までは、みなさんも想像できる範囲だと思う。がしかし、実際の映画は想像以上に凄かった。
中盤まで、あーやっぱり予想通りな感じだなと思いながらも、痴呆症の母を演じる大谷直子があまりにも可愛らしくてもちろん芝居も素晴らしくて、まあこれを見れただけでもいいかもなと一瞬心を許しかけたのですが、このラスト15分、まさかの展開にもう怒りとか通り越して、こんなことあんまり言いたくないけど、ほんまにお前が死ねよとしかつぶやきようがない。この映画を被災者の家で上映したって言うんだから、確かにそれは立派な暴力だよ。