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12.06

『任侠ヘルパー』

自分でも不思議な程公開前から楽しみだった西谷弘監督『任侠ヘルパー』をようやく見てみて(連続ドラマは未見)、冒頭のコンビニ強盗から、中盤の酷い老人ホームの見せ方、役者の芝居、編集のリズム、おおやっぱり私の勘は間違ってなかったかなりいい作品なんじゃないのと結構本格的に楽しんで見れた、んだけど、終盤への盛り上がりにかけて香川照之の大袈裟なテンションが上がると共に映画というか脚本がしょんぼりしていってしまい、非常に悔しい仕上がりになってしまってました。それでも、TV局が作る映画としてはものすごく良く出来た映画だとは思ったし、ヤクザと介護ビジネスと老人介護の実態、メジャーな世界でこれが限界だろうなってくらいきっちり描いてるなと素直に感心してしまいました。『終の信託』に続いて、世界の亀山モデルに何が起こったのか。
簡単な勧善懲悪にしたくないってのはわかるけど、主人公の一匹狼風チンピラと大きな組との関係をちょっと複雑にし過ぎたか、134分特に長いなとも感じなかったけどあと30分は短かったらもっと良かったはず。ここまで老人ホームを守る話なら、ラストは絶対に舞台を焼け跡にするか老人たちが生き返るゾンビと化して蜂起するかだと思うんだけどなあ。どうでもいいような、主人公とアル中ヘルパー(りりィ)のやりとりとか泣きながら駆け寄ってくる子どもとかにはぐっときたりしたけれど。
SMAPにおける華のなさが逆に功を奏して最近は一番まともな仕事をしてる草彅剛が、どんなにいきがってもヤクザに見えないという弱点はありつつも、頑張っていたと思う(こんな国民的アイドルが年寄りに向かって悪態つきまくるセリフがよくオッケー出たよね)。 そして実際に要介護なんじゃないのハラハラしてしまうような老人エキストラたちも素晴らしかった。密かにデビュー当時から応援してる風間俊介くんの活躍も嬉しい。しかしこの黒木メイサは本当に不要。