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12.20

『007 スカイフォール』

気分的になんとなく、シネコンではなく久しぶりに歌舞伎町でサム・メンデス監督『007 スカイフォール』を。世間的にはこれがお正月映画なのか。
どんなに名スパイがあれこれ最新スパイアイテムを駆使して世界を股にかけて活躍しようと、全体的には、大好きだけど怖くて厳しいママに認められたいダメ息子の僕チンたち!というマザコン映画ではあったが、冒頭から、世界にはすごいスタントマンがいるもんやなあと感心してしまったド派手なカーアクション、上海のクレイジーなネオン街、マカオの立派なカジノ、縦になる電車やヘリ、次々と展開していく舞台と大層な仕掛けに退屈はせずそれなりに楽しんで見た、のだが、終盤舞台がスカイフォールに移ってからが、まだ続くんかい!っていうかこれまで散々銃撃戦しといて結局誰一人として死ねへんのかい!っていうかボンドの過去とかどうでもいいし!とテンションがた落ちになってしまい、無念。あの審問会みたいなところでMに何かあるべきやし、他にも脚本的に突っ込みどころが幾つかあった(とりあえず、ボンドは有能過ぎなうえ勘も冴え過ぎ)のも無念だが、どんなけすごいキャラクターなんだろうと期待させておいた敵がめちゃくちゃ大したことなかった、ってのが一番残念か。色々サムさんの真面目さが中途半端な気がしました。ボンドガールも今イチぱっとせんなあと思ったけど、はたと、今回のガールはMなのかと(でもさあ、身も蓋もないこと言うと、組織の上に立つ人間がMくらい部下に残酷なのって、結構当たり前じゃね…?)。
完璧なマッチョボディでトム・フォードのスーツを着こなすダニエル・クレイグは、今どき板前でもそこまで刈り上げないよってくらいビシっと刈り上げたヘアスタイルで、 相変わらずひとりで勝手に深刻そうな顔をして頑張ってるのは別にいいんだけど、さすがに女の入浴中に勝手に自分も全裸で入っていくのは止めた方がいいと思った。