1.25
『共喰い』
親切な御方のご招待により、今年の夏公開予定の青山真治監督『共喰い』を一足お先に試写で拝見させて頂きました。
これは珍しく芥川賞受賞の原作を読んでいてたので物語の内容自体は知っていたんだけど、でもそれでも驚きの連続で、やられた。
監督の前作『東京公園』にそよいでた爽やかな風は完全にやみ、北九州の小さな町を舞台に、臭そうな川、見てるだけで汗をかきそうな真夏の空気、(それがあまりにも原作からイメージしてた通りだったのにもびっくりした)、見てるだけで妊娠してしまいそうな性欲をたぎらした男たち、男に殴られる女たち、見ながらくらくらしてしまいそうな程濃くて不気味で、かっこよかった。思いっきり昭和の日本のお話なのに、油断するとあちこちに。あと、速い。『Jエドガー』を見たときにもあった、ついていくのに必死で「ちょっと待って!」と声を出してしまいそうになって、見終わってからこの映画100分以上もあったんだとひとりで衝撃。凄い。
主人公の青年、ガールフレンド、実の両親、父親の女、ほぼその五人だけしか出てこない世界の、失礼ながら主演の菅田将暉くんはじめ今まで知らなかった役者さんたちの素晴らしいことはもちろんなんですが、これは、田中裕子さまが。ちょっとかっこよ過ぎやしないか、ってくらいかっこよくてて、詳しくは言いませんが大雨の中の姿には、ジュリーじゃなくても惚れます。
夏が暴れてウチのyonjoの誕生日(1月7日)に終わる映画だけど、これはやっぱり夏に見たいな。公開時に再見は決定。