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2.14

『コックファイター』

と、ふざけた映画を見た翌日にはアテネ・フランセさんで開催中の「ジャン=リュック・ゴダール 映画史全8章の上映と各章の分析」 に向かい、1A「すべての歴史」&1B「ただ一つの歴史」を見て、平倉圭さんによるゴダールと映画史と狂気についてのレクチャー(詳しくは、人に任せた)を拝聴したりして、真面目に過ごしてたんですよ。講義を聴いてた時間よりその後の打ち上げで過ごした時間の方が長かったのは多分気のせい。

で本日は、何とか最終日までには間に合ったモンテ・へルマン監督『コックファイター』ニュープリント(74年)を。「闇に葬られた傑作」ということで、製作から39年経った今初劇場公開な作品だそうな。
闘鶏に人生を捧げ、住処も恋人も犠牲にしてまで闘う旅を続ける男…、一見渋くてかっこいい主人公のように見えて、彼が一言も口をきかないその理由は結構どうでもいい意地だし(まあでもラストの一言は震える程感動的なんだけど)、なんやかんやで闘鶏仲間と楽しそうにやってる姿は、プロデューサーのロジャー・コーマンなんかとなんやかんやでヒットしない映画を作り続けて騒いでる監督たちの姿なんじゃないのと笑えなくもなかったし、途中の強盗事件とか意味不明過ぎたけど、とにかく主演のウォーレン・オーツのにやっと決める笑顔がかっこいいのなんので、泣けた。これにはさすがに動物虐待反対の私も、ただ黙ってみつめるしかありませんでした。でも絶対に鳥の死体の一部は握らされたくない。ウチの親父は昔闘犬やってたけど、全然かっこよくなかったぞ(本気でステーキ肉しか食わないセントバーナードが家にいて、迷惑だった)。