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2.24

『ゼロ・ダーク・サーティ』

タイトルは「深夜0時30分の作戦」って意味らしいですね、キャスリン・ビグロー監督『ゼロ・ダーク・サーティ』
2011年、ビンラディンの居場所を突き詰め殺害することに成功したCIA女性職員、作戦実行に至るまでの十年間を彼女やアメリカ政府の動きを157分かけて見せてくれます。長いわ。
前作『ハート・ロッカー』同様、疑うことなくアメリカ万歳な現場主義的戦争映画、と簡単に片付けていいものか、非常に悩ましい。その理由は、いや、脚本的はほんとそんな感じで酷いと思うんだけど、それなのにここまで退屈させずに見せる技術(特にラストの襲撃シーン。かなり引っぱるのにあの緊張感の持続は凄い)と、やっぱり、キャスリン姐さんの過去の作品が結構好きなもので「違う、キャスリン姐さんはこんなもんじゃない!もっとやればできる子!」とまだ信じ続けたいからか。監督インタビューを読む限り姐さん本人の考え方は至極まっとうだし(悪いこと言わん、20歳以上も年下のバカ右翼脚本家とは別れた方がいい)。
ヒロインの女性が、男のマッチョさと女のヒステリーを持ち合わせたかなり救いなくウザいやつだったり、ビンラディン殺害の意味をアメリカへの大義から同僚を殺された怨みへと微妙にシフトさせるこすいやり方とか、犠牲になったイラク人への配慮のなさとか、色々むかつくところはいっぱいあったけど、一番どうしようもねーなと思ったのはラストの涙かな。あれは本当に意味不明。
ただ、もしかしてこの映画は壮大なジョークなのかと思ったのは、『カルロス』のカルロスくんが今回はアメリカ側の人間として出演しているところ。 全然体型戻せてなかったね。

で、女性監督と言えばいつのまにかDVDが発売されてる『テイク・ディス・ワルツ』。男性諸君は是非一度見て米軍ばりに疲弊してみるといいですよ。