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3.21

『Sweet Sicknessースウィート・シックネスー』

監督の御好意により、4月6日(土)からポレポレ東中野さんで一週間限定レイトショー公開予定の青春Hシリーズ、西村晋也監督『Sweet Sicknessースウィート・シックネス』 を一足早く試写で拝見させて頂きました。ありがたや。
と、直接そんなお誘いを受けときながら実は西村監督の作品は今まで未見と不勉強極まりなく、今回が初体験だったのですが、これが、監督御自身の韓国映画に出てくるチンピラ風風貌からはイメージできない程(失礼…)端正でロマンチックな映画で、ちょっと驚いてしまったのでした。
どうやら数年前に両親を亡くしたらしい姉と弟(深夜バイト)、それでも地味に幸せに仲良く暮らしていたふたりが、姉の結婚をきっかけに弟の姉への想いが暴走しだす、という物語に以上に詳しい説明があるわけではなく、舞台のほとんどはふたりが暮らすなんてことない一軒家なんだけど、90分間とにかくふたりの危うく脆い関係が丁寧に描かれていて、だから弟が姉の結婚を知った瞬間から微妙に関係が変化していく展開が非常にスリリング。こんな可愛い弟おったら一生独身でも全然有りやしという妄想はさておき(しかし、小林ユウキチくんはめちゃ可愛い)、二度とふたりでは食卓を囲めない男女の刹那さ(切なさ、と書こうとしたらMacの変換の方が上手かった)がヒリヒリと美しい映画。とても良かった。
この姉弟のさりげないやりとりだけでなんか十分エロいんだけど、もちろん青春Hシリーズですからちゃんと濡れ場もあって、そのシーン(誰と誰がどこでやるかは内緒)がまたとてもいい。いいヤツなんだかいい加減なんだかよくわからない斉藤陽一郎も素敵だし、四宮秀俊が映す海ほんとにきれい、細かい音まで効いてる、こんなハイレベルな低予算映画がレイトで一週間はジャクリーンに続きやっぱり惜しい。皆さまはお見逃しないようお気をつけて。