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3.26

千年の悪魔

昨日は、若松孝二監督『千年の愉楽』を見ました。偉いでしょ。
いくら自分が中上派とはいえ不慮の事故で亡くなった監督さんの遺作にねちねち文句を言う気は起きないし、作品が進むにつれだんだんと、ほんとに近所の世話焼きおばさんにしか見えないオリュウノオバ、びっくりするほど路地感ゼロな土地の雰囲気、とにかくノリが軽くてぺらぺらな若手イケメン俳優たちの芝居、紀州の物語なはずなのに劇中流れっぱなしの謎の琉球三味線、ファンには結構ショックだろう寺島しのぶと染谷将太の絡みと、とにかく全体的に深刻さや重さが感じられないラフな雰囲気、この映画はもしかしたらコメディなのかなと思えてきて、そう考えるとこれはこれでいいような気すらしてきて、監督は最後に大きなジョークをかまして逝かれたのねと勝手に解釈させて頂きました。今更御冥福をお祈りします。しかしこの時代の居酒屋に鶏皮ポン酢はおいてあるのか。

本日は、ご近所さんな池袋あうるすぽっと で上演中の青山真治演出「私のなかの悪魔」 を観劇しました。
もちろん演劇のことはよくわからないし、古典らしい原作戯曲のことも全然知らなかったんだけど、これは大変面白かった。
上映時間の二時間中、主な登場人物三人が基本的には喋りっぱなしですごいスピードで進んでいくから見てる方も休む間なしに夢中になって楽しんでゲラゲラ笑ったりもしたけれど、でもお話の内容はよく考えるとかなりホラーな男と女の闘いで、改めて女って恐ろしいなやっぱり私はまだまだ結婚なんて無理やなとしみじみ感じたりもしたのでした。劇中のサプライズな演出もかっこよかったし、とにかく役者のみなさんが見応え大有り。高橋洋さんは美しい妻の浮気を妄想してひとり悶々とするする姿がよく似合う。

訂正、『SAVAGES/野蛮なやつら』は木曜日までみゆき座さんで上映してました!こちらも見るべし。