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3.28

『フライト』

既に見た人たちからさんざん「かなりヤバいよ」と聞いていたので期待値MAXで臨んだロバート・ゼメキス監督『フライト』、しかし実際見てみるとそんな期待を軽々と越える、めっちゃくちゃ面白い映画だった。見てから一晩経ってもまだどきどきしてるくらい興奮。ゼメキスさん復活してくれてありがとう。
派手な飛行機事故を巡る感動のヒューマンストーリー、という予告はまったくの詐欺(この内容じゃあ仕方ないとは思うけど)、 蓋を開けてみると、冒頭からのおっぱい(シリコンだけど)にまず「あれなんかおかしい」と気付き、その後はただとにかく、『アンストッパブル』ではあんなに真面目に列車を止めてたデンゼル・ワシントンの、ここでは一応飛行機止めるけど、酒と薬に溺れて堕ちていく飛行機以上に堕ちていく最低男の姿が。デンゼル機長のあまりの醜態に「なんちゅー映画や」と呆然としつつ、その色っぽさについて是非おすぎと語り合いたいくらい、いやあもうその姿がマジで最高。神とか罪とか色々あるんだろうけど、とりあえず、二日酔いにはハイチールCよりコカイン!とお勉強になりました。こんな映画が作れてしまう、やっぱりアメリカは変な国だ(しかしこんなものを見てしまうと『アルゴ』なんていかにガキ臭いかがわかってしまった)。ちょっと泣いたけど。
ととにかくデンゼルのちょい悪オヤジどころじゃなくただの悪いオヤジな魅力にクラクラしっぱなし、でも他の役者もみんな本当に素晴らしく(メリッサ・レオって泣けるよねえ)、音楽もかっこよく、脚本も衝撃に次ぐ衝撃(あのホテルの使い方とか、よく思いついたよねえ)、それをネタにこんなに凄い映画ができてしまうんだから、アル中も捨てたもんじゃないじゃないか(もちろん個人的に色々正視したくないところもありましたが…)。