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4.04

『だいじょうぶ3組』

もっとトンデモな作品を予想していったら、意外とちゃんとした映画だった廣木隆一監督『だいじょうぶ3組』 。子どもの頃『典子は、今』ごっこしたよね。
乙武洋匡が教師としてとある小学校に赴任した体験の自伝的小説を映画化、そりゃまあ乙武くん本人が本人役するしかないわけで。内容も、障害者との共生を描く想像通りのものだったりはしたんだけど、映画自体からベタベタな感動ものという匂いはさほどせず。例えば、これ多分実際初めて乙武先生が学校に来るシーンを撮るまで生徒役の子どもたちとはほとんど会わせてないんじゃないかな、手足のない車椅子の男が新しい担任ですと教室に入ってきたときの子どもたちの衝撃を受けた顔がドキュメンタリー作品のように手持ちカメラのアップで撮られ、その後もとにかく子どもと乙武くんの顔で見せる、なかなかの緊張感(でも劇中一番の緊張ポイントは乙武くんが車椅子から降りてサッカーするところ。大人でもさすがにあれは一瞬びびるって…)。長回しで撮られた子どもの熱演も中々素晴らしく、日本にもこんな芝居のできる子役がいるのかとだいぶ感心しました。あと、イケメン小学生が普通にイケメン過ぎて、ちょっとドキドキした自分がきもかったです。階段のウサギと亀、私の母校にもあった。
当たり前に、障害者の教師が増えたりするのは正しいことだと思うし、脚本の中では障害があるからできないことはできないと言い切ってたりして内容的にも教育的な素材として子どもに見せていけばいいと思うだけど、そうするにはせめて90分以内か。春休みだから劇場内には親子連れもいたんだけど、60分過ぎたあたりからガキ共の集中力が一気に切れたムードがすごかった。