見世物小屋には詳しくても、実は「オズの魔法使い」の物語を正確には知らないもんで、「オズ誕生の秘密がついに明かされる！」と言われたところでお話についていけるか微妙に不安だったサム・ライミ監督『オズ はじまりの戦い』3D ですが、そんなことはまったく問題じゃないくらい、これはこれだけで十分滅法素晴らしい映画でございました。見世物小屋ばりに小人症いっぱい出てきたし。
ゴージャスなファンタジーの世界の中で、エセ魔法使いが本物の魔法使いになるまでの物語、エジソンと映画が世界を救う美しいラストとカラカラ鳴る映写機の音につい涙。最先端の技術を駆使して撮られてるはずなのにだんだんと、やってることとか街の人の雰囲気とかをみてるうちにいつの時代の映画なのかわからなくなっていく不思議体験。でもこのカメラがぐわーっとスピード感を持って疾走する感じは3Dが絶対いい。
ディズニーだしスタッフもだいぶかぶってるってことでティム・バートン『アリス・イン・ワンダーランド』みたいだなと思うところもあったけど、魔女たちの活躍シーンに隠しきれないサム・ライミ感。お気に入りのミラ・クニスちゃんが後半だいぶ酷いことになってたのはショックだった。私の中ではすっかり変態俳優となっているジェームズ・フランコが結構普通の顔しててよかった。 陶器の人形ちゃんにだいぶ萌え。